ジェネラティヴアートワークショップ

arttea ワークショップ実施レポート

2026年4月25日(土)/渋谷キャスト 1F Marked

ジェネラティヴアートワークショップ開始時の会場風景

1. 本日の講師

本ワークショップの講師は、孫正義育英財団にも採択され、TBS『林先生の初耳学』で 林修先生から「天才」と称されたことでも知られる、アーティスト 大西拓磨先生 です。

東京藝術大学美術学部建築科で学んだ独自の視点と、F1ヘルメットの特別デザインも手がける幅広い表現力。
さらに、独学で身につけた プログラミングの確かな実力 と、それをアートへと昇華させる発想力を併せ持ち、コードと美意識を行き来しながら作品をつくり上げていく姿勢でも高い評価を受けています。

そんな大西先生から、プログラミング言語「p5.js」を用いた数行のコードから絵が立ち上がっていく面白さを、artteaのワークショップで体験させていただきました。
計算式と乱数がつくり出す予想外の模様や色彩は、絵を描くのが苦手な方でも思わず夢中になってしまう、ジェネラティヴアートならではの魅力です。

大西拓磨先生のプロフィール写真

大西 拓磨

  • 1999年 神奈川県横浜市生まれ
  • 2018年 東京藝術大学美術学部建築科中退
  • 2020年 NHK Eテレ『素顔のギフテッド』出演/孫正義育英財団に採択
  • 2021年 TBS『林先生の初耳学』出演/F1ヘルメットの特別デザインを担当(計5回)
  • 2024年 プロダクト『おさかなキーボード』発売

2. 参加者の声

参加者の声

「数式や乱数から生まれる模様の美しさに驚きました。アートと数学が結びついていることを実感できる、貴重な体験でした。とても面白かったです。」

参加者の写真
参加者の声

「家族で参加しました。お茶を片手にコードを書く時間は、これまでにない新鮮な体験でした。大西先生がやさしくサポートしてくださったおかげで、初めての私たちでも安心して制作に取り組めました。」

参加者の写真
参加者の声

「画面と向き合っているうちに、いつの間にか作業に没頭していました。最初はコードが難しく感じましたが、大西先生がひとつひとつ丁寧に教えてくださり、自分の手で動きのあるアートを生み出せた瞬間は本当に感動的でした。」

参加者の写真

3. 当日の流れ

ジェネラティヴアートワークショップ イベントポスター

イベントポスター

① PCセットアップとアカウント作成

会場に到着された参加者の皆さんは、まず自由なお席についてPCを開き、ワークショップに必要な環境のセットアップからスタートしました。
p5.jsのオンラインエディター(p5.js Web Editor)でアカウントを作成し、ログイン。新規スケッチを開いて、お名前を入力するなど、制作前の細かな準備をしていきます。

初めての方も多くいらっしゃいましたが、画面の見方やボタンの位置などをひととおり確認することで、続く講義にスムーズに入っていけるように整えていきました。

ワークショップ開始時、参加者がPCを開いている様子

それぞれの席で、PCのセットアップ

ワークショップ会場の開始時の様子

会場には和やかな雰囲気が広がる

② 大西先生による基本的な講義(基礎に触れる/ティーラテを飲みながら)

セットアップが整ったところで、いよいよ大西拓磨先生による講義がスタート。
大西先生の自己紹介から始まり、建築を学んでいた背景からアートの世界へ進んだご自身のあゆみと、「コンピューターと一緒に絵を描く」というジェネラティヴアートの考え方が紹介されました。

ジェネラティヴアートはコードに余白を委ねるアート」という先生の言葉とともに、p5.jsで何ができるのか、その独特な魅力についても語られていきます。

大西先生による講義の冒頭

大西拓磨先生による講義のはじまり

講義は、p5.jsのまっさらな初期コードからスタート。最初に登場したのは、たった4行のシンプルなコードです。

function setup() {
  createCanvas(400, 400);
}
function draw() {
  background(220);
}

createCanvas(400, 400) で400×400のキャンバスを準備し、background(220) で薄いグレーの背景を塗る。
大西先生はまず、画面に表示されたこのグレー一色の四角を指して、「ここから、このキャンバスにアートを描いていきますよ」と語りかけました。

続いて、円を描く circle(x, y, 大きさ) や、色を塗る fill(r, g, b) を順に追加。「キャンバスの左上が(0, 0)、右に行くほどxが大きく、下に行くほどyが大きくなる」という座標の考え方を、実際にコードを書きかえながら確認していきます。
数値を変えるだけで、画面の中の円の位置や大きさがその場で変わる──参加者の皆さんは、コードと画面が連動する瞬間に思わず声を上げていました。

circle関数の使い方を解説するスライド

circle(x, y, 大きさ)で円を描く

circleに色をつける方法を解説するスライド

fill(r, g, b)で色をつける

講義のあいだ、参加者の皆さんはティーラテを片手に、リラックスした雰囲気で耳を傾けていました。
和やかな雰囲気を交えながら学んでいくのが、artteaのワークショップらしいひとときです。

お茶を楽しむ参加者の様子

お茶と会話でリラックス

お茶を点てている様子

オリジナルティーラテです

ワークショップのコンセプト説明 - ジェネラティヴアートワークショップのコンセプトやテーマを説明している様子

本ワークショップのコンセプト
「コードを少し書くだけで、
誰でもアーティスト!」

③ 発展的な実践

基本のcircleやfillが描けるようになったら、いよいよジェネラティヴアートらしい表現へ。
キーワードは 「background」「random」「関数」 の3つ。コードを少しずつ書き足していきながら、画面の中の絵が「描く」から「動く」「変化する」へと変わっていきます。

大西先生が参加者にコードを解説している様子

大西先生が、テーブルをまわりながら
一人ひとりにアドバイス

random(0, 255) を使うと、毎回ランダムな数値を返してくれます。これを fill の中に入れれば、円を描くたびに色がランダムに変わる。同じコードを実行しても、走るたびに違う絵ができあがるのがジェネラティヴアートの面白さです。

background も奥が深く、毎フレーム不透明な色で塗り直せば残像は消えますが、background(0, 0, 0, 5) のように透明度を低くすると、前のフレームがうっすらと残って、絵に「軌跡」が現れます。

そして最後の鍵が、関数を使った動き。p5.jsの draw() は1秒間に何十回も繰り返し呼び出される関数です。draw の中で y = y + 3 のように変数を少しずつ更新していけば、円がだんだん下に落ちていく、といったアニメーションが生まれます。配列で複数の点をまとめて動かせば、コードの中に小さな世界が立ち上がっていきました。

circleに動きをつけたサンプルの画面

randomとbackgroundを
組み合わせると、こんな表現に

大西先生が参加者の画面を見ながらアドバイスしている様子

大西先生が画面をのぞき込んで、
一人ひとりにアドバイス

ここからは、自分のコンセプトをもとに作品を制作していく時間。
大西先生が大切にしていたのは、「コードは自由に遊べるもの」「正解はひとつじゃない」という姿勢でした。基本の型を踏まえつつ、数値や色、形を自分の感覚で選んでいけば、それがそのまま作品の個性になっていく──そんなプログラミングとデザインの楽しさを、参加者一人ひとりに丁寧に伝えてくださいました。

こうしないといけない、というルールはないですよ」「少し変えるだけで、画面の表情がガラッと変わるのを楽しんでみてください」と、テーブルをまわりながら声をかける大西先生。
難しいと感じていた方も、先生のひとことで気持ちが軽くなり、自由に試してみる勇気が湧いてくる時間でした。

複数の参加者が制作に取り組んでいる様子

それぞれの画面に、それぞれの
「動くアート」が生まれていきます

制作中の参加者の様子

動くアート制作の画面に夢中!

大西先生と参加者が一緒に画面を見ている様子

迷ったら、先生がやさしくアドバイス

制作中の参加者の様子

数値や色を変えながら、
自分の世界を探っていく

大西先生が参加者の隣で一緒に考えている様子

大西先生と一緒に、
次の一手を探る

ーー みなさん、それぞれのペースで完成に向けて楽しく制作を進めました。

制作中の参加者の様子

夢中で作業していると、
時間はあっという間!

制作中の参加者の様子

楽しくジェネラティヴアートが
できましたね◎

④ 作品の共有や振り返り、大西先生からの共有内容

制作の時間が終わったあとは、完成した作品を全員で鑑賞し合い、それぞれが込めた思いや自己表現を共有しました。

大西拓磨先生による丁寧な講評では、一人ひとりの作品の良いところや特徴を読み解いてくださいました。「同じ型から始めても、全く違う作品になるのが面白い」「パラメータの選び方や数値の置き方に、その人らしさが出ている」といった具体的なコメントに、参加者たちは真剣に耳を傾けていました。

さらに大西先生からは、ジェネラティヴアートとこれからの表現についてのお話も。「コードはこれから、誰もが自分の表現のために使う道具になっていく」「うまく描こうとせず、自分のコンセプトを大切に、自由に試してみてほしい」といったメッセージは、プログラミングとデザインの楽しさを、ワークショップ後も持ち帰れる言葉として残してくれました。

普段は気づかない自分の好みや個性に気づけた」「プログラミングは難しいと思っていたけど、コードでも表現できる」といった声もあり、和やかで学びのある雰囲気の中でワークショップは締めくくられました。

SPECIAL TALK

大西先生 × arttea代表 対談
― ジェネラティヴアート × AI のこれから ―

講評ののちには、大西拓磨先生とarttea代表による対談の時間も設けられました。

大西先生がワークショップを通して伝えてくださったのは、「自由に試しながら、自分のコンセプトを形にしていく楽しさ」。
その姿勢を受けて、arttea代表からは ジェネラティヴアートとAIを掛け合わせていく、これからの可能性 について語られました。

arttea代表が語ったこれからのイメージ

  • ・コードで表現を作る楽しさを知った人が、AIと対話することで表現の幅を広げていける
  • ・自分のコンセプトを言葉にしてAIに伝え、返ってきた提案をもとに自分の手でコードを調整していく
  • ・そんな新しい制作のかたちが、すでに始まっている

artteaがこれから目指していきたい「お茶 × アート × テクノロジー」の世界観と、その中でAIが果たす役割について、参加者と一緒に考えるひとときとなりました。

その流れを受けて大西先生からは、AIそのものへの言及というより、創作の根っこにある姿勢についてのコメントがありました。
大切なのは、自分が何を作りたいかをまっすぐ持っておくこと」――道具やテクノロジーがどれだけ進化しても、表現の出発点は自分自身の中にある、というメッセージです。

arttea代表が描く「これからの技術との付き合い方」と、大西先生が語る「創作の根っこにある思い」。
異なる角度から語られた二つの言葉が、対話のなかで自然と重なっていく時間となりました。

大西先生が語っている様子

創作への思いを語る大西先生

対談中、思考を巡らせる様子

問いに耳を傾け、言葉を選ぶ瞬間

対談に耳を傾ける参加者の様子

参加者も真剣に耳を傾ける

対談を囲む和やかな会場の様子

和やかな空気に包まれた会場

大西先生とarttea代表によるジェネラティヴアートとAIについての対談

大西先生とarttea代表による、
ジェネラティヴアート × AIの対談

対談を囲む会場全体の様子

二人の対談と会場内の様子

⑤ 参加者の作品(一部抜粋)

ワークショップのなかで生まれた「動くアート」から、参加者の作品の一部を抜粋してご紹介します。
同じ基本のコードからスタートしても、色の選び方や乱数の使い方、数値の置き方ひとつで、まったく違う世界観の作品が立ち上がりました。

参加者作品の動画 ― 数行のコードから生まれる「動くアート」

▶︎ クリックして再生(音声なし/繰り返し再生)

作品 01

作品 02

作品 03

作品 04

作品 05

作品 06

作品 07

作品 08

作品 09

作品 10

作品 11

作品 12

数行のコードから生まれた、世界にひとつだけの「動くアート」たち

動画作品とあわせて、静止画として書き出された作品もご紹介します。

ハート型のジェネラティヴアート作品

温かみのあるハートのジェネラティヴアート作品

黄色を基調とした作品制作の様子

黄色を基調とした、明るい色合いの作品も

⑥ 大西先生から、自由なプログラミングとアートのレクチャー

ワークショップの締めくくりには、大西先生から、ジェネラティヴアートを学んだあとにも役立つ自由なプログラミングとアートの楽しみ方についてのレクチャーがありました。

p5.jsはこれからも自由に触れる遊び場にしていい」「うまく描こうとしなくていい、自分が面白いと思った数字や色を素直に試してみてほしい」「世界中のクリエイターの作品を眺めて、いいなと思ったらコードを真似してみるところから始めてみる」など、ワークショップ後も自分の表現を続けていくためのヒントを、参考になるサイトや具体的なツールと共にお話しいただきました。

具体的なツールやart制作のコツを、丁寧に解説していただきました

大西先生が自由なプログラミングとアートの楽しみ方を解説している様子

大西先生による、自由なプログラミングとアートのレクチャー

4. 参考情報

ジェネラティヴアートは、コンピューターのアルゴリズムや乱数を活用して生成されるアートです。本ワークショップでは、JavaScriptをベースにしたクリエイティブコーディング向けライブラリ「p5.js」を用いて、コードから生まれる図形や色彩を体験しました。ジェネラティヴアートはコードに余白を委ねるアート。数値や乱数の組み合わせ次第で、思いがけない美しさや偶然の表現が生まれます。プログラミング初心者から経験者まで、誰もが夢中になって楽しめるワークショップです。

制作のポイント

  • circlefill など、p5.jsの基本関数を組み合わせるだけで多彩な表現ができる
  • background をうっすら重ねると、軌跡や残像のような効果が生まれる
  • random でパラメータをばらつかせると、走るたびに違う結果が生まれる
  • draw() の中で変数を少しずつ更新すると、絵に「動き」が生まれる
  • 「正解はひとつじゃない」──自由に数字や色を試して、自分のコンセプトを大切にする
  • ・絵を描くのが苦手でも、コードで美しい作品が完成する

5. まとめ・今後の展望

今回のワークショップでは、参加者それぞれが個性豊かなジェネラティヴアート作品を完成させました。
お茶を楽しみながらコードと向き合う制作時間や、画面に現れた自分だけの作品を見たときのみなさんの笑顔が印象的でした。

大西拓磨先生による丁寧な講評では、一人ひとりの作品の良いところを読み解いていただき、参加者たちは自分の表現に自信を持てたようです。「プログラミングは難しいと思っていたけど、コードでも表現できる」という声も多く聞かれ、誰でも楽しめるワークショップとして大成功を収めました。

artteaでは、今後もお茶でくつろぎながら気軽にアートに触れることができるワークショップを展開していきます。

現在開催中のワークショップはこちらからご覧いただけます。お気軽に覗いてみてくださいね。

渋谷キャスト 1F Markedにて開催されたジェネラティヴアートワークショップ会場の様子

渋谷キャスト 1F Markedにて、
和やかな雰囲気のジェネラティブアートワークショップ会場でした。